テクノロジーが記憶を蘇らせる。From a distance 遠い日の記憶

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昔好きだった曲が、カフェのスピーカーから流れる。とても大好きな曲だったけど、好きだったことも忘れていたぐらい、ずっと聴いていない曲。

なんて曲だったかな。あんなに大好きな曲だったのに、曲名が分からない。きっと昔なら、何だっけと悩んでいるうちに曲は終わり、2度と好きだった曲を聴くことはなかっただろう。

しかし今は違う。僕らにはスマートフォンがある。手元にあるiPhone SEのロックを指紋認証で解除し、瞬時にshazamを立ち上げる。

「From a distance」Bette Midler(ベット・ミドラー)

多くの歌い手が歌う名曲だが、僕はBette Midlerが歌う「From a distance」が1番好きだ。

どれぐらい前に好きだったかも忘れてしまったぐらい、好きだったことも忘れていた。あんなに大好きだったのに。人間の心なんて気まぐれさ。消えかけた記憶を辿りながら、若かりし頃を振り返るが、あの時の記憶は蘇らない。Bette Midlerの歌声だけが心に鳴り響く。

覚えているはずの記憶も消えていた。たしかに過ごした時間なのに、どうして人は簡単に忘れてしまうのだろう。失った記憶を取り戻そうと、「From a distance」を聴き続けるが、失った記憶が淀みなく戻ることはなかった。

何かが引っかかる。何が引っかかるのだろうか。よく分からないが、気が付いたらリピートボタンを押していた。ここまで同じ曲をリピートするのは久しぶり。思い出せないものは仕方がない。今日はこの曲をひたすら聴き続けよう。失った記憶が戻らなくても。

そのとき何かを思い出すことはなかったが、何故か今日もBette MidlerのFrom a distanceを再生している。

偶然Facebook Messengerアプリが目に入った。ほったらかし状態のFacebookだけど、メッセンジャーだけは時々使っている。珍しく1通メッセージが来ていた。

見知らぬ女性からのメッセージだった。どうせいたずらメッセージだろう。見知らぬ女性から来るメッセージは100%スパムだ。

どんなスパムだろうと思いながらメッセージに目を通す。書いてある内容がスパムっぽくなかった。とても丁寧な書き方で、スパムとは思えない文章だったのだ。書き方だけじゃない、僕のプライベートな内容まで書いてある。送られてきたメッセージの内容は、友達かもに僕の名前を見つけ、気になってプロフィール写真を見たら、昔の知り合いじゃないかと思ってメッセージしたようだ。

手の込んだスパムだと思いながら、彼女のFacebookページを見る。手掛かりとなる写真は2枚しかなかった。1枚は横顔の写真、もう1枚は正面からの写真。

少ない彼女のプロフィール写真を見ながら振り返る。誰だろう、随分前の知り合いだろうか。色々思いを張り巡らせるが、誰だか分からない。しばらく自分の過去を振り返ってみたが、まったく見当がつかない。

最近のスパムは手が込んでいるか、彼女の人違いだろう。

誰かと間違えていませんか。人違いだと思うのですが、、、Smart Keyboardで入力し終えたメッセージを送信しようと、9.7インチiPad Proの画面に表示されている送信ボタンに指が近づく。画面に指が触れる瞬間、僕の手が止まった。

昨日から流れ続けるBette MidlerのFrom a distanceを聞きながら、僕は彼女とドライブをした。

何が何だか分からなかったが、送信ボタンを押そうとしていた僕の指は、再びSmart Keyboardを叩いている。

「あれから15年ぐらい経つのかな」

偶然昨日流れてきた曲が繋がった。Facebook Messengerのメッセージが送信されたのは今日ではなかった。ちょうどBette MidlerのFrom a distanceが流れてきた昨日送られていた。

「オレンジ色のスポーツカーで迎えにきてくれたよね」

思いもよらない彼女からの返信に、顔が思わず赤くなった。自分でも忘れていた甘酸っぱい思い出。

「God is watching us from a distance」2人で聴いたBette Midlerの歌声を聞きながら、梅雨の晴れ間の空を見上げ、あの日のことを思い出す。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

YUYA

IT機器が大好きです。 ファミコンブームで初めてデジタル製品の虜になり、それからパソコン、スマートフォン、タブレットと、一通りデジタル製品を使ってきました。 大きく時代は変わり、IT機器なしでは生きていけない世の中になりました。しかし、使うことに疲れてしまい、あまり有効に使えていない人をたくさん見かけます。 楽しく簡単にIT機器を使えるよう、当ブログで説明していきます。IT機器を使って生活を豊かにしましょう。
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