「まえつめろや!!」通勤ラッシュの電車で鳴り響いた怒号。中年の男性が、奥につめない男子高校生に切れてしまったようです。男子高生も素直には引き下がらず、「この状況では、つめようがない!」と引き下がる気はありません。
取っ組み合いの喧嘩になる1歩手前で収束しましたが、緊迫感が漂うかと思われた電車内は、スマートフォンの画面を見る人々ばかり。拍子抜けするぐらい平穏な車内でした。
怒鳴りあいの原因は当事者にしか分かりませんが、個人的に原因を推測してみると、スマートフォンが原因のように思いました。
スマートフォンが社会に合わなくなっている
ほとんどの人がスマートフォンを持っています。スマートフォンが一般化したことで、高機能でサクサクと動くスマートフォンを誰もが持っています。基本的な性能が高いiPhoneを使っている人は多いですし、低価格のAndroidスマートフォンでも、わりとサクサクと動いてくれるので、使うことにストレスを感じることはありません。
一昔前は、通信をして画面を読み込むだけでも時間がかかったのに、今は瞬きをすれば画面が切り替わっているぐらいの速さです。通信速度の高速化、処理性能向上の恩恵は大きく、いつでもどこでも何でも出来てしまう時代になりました。
ちょっとでも時間が出来ればスマートフォンを見てしまうのは、あまりに便利だからです。1秒、1分でも時間ができれば、スマートフォンで何かをすることができます。歩きながらスマートフォンを見るなと言っても無理な話です。歩いている暇があったらSNSをしたくなります。電車に乗っている暇があれば、YouTubeで大好きなユーチューバーの動画を見たくなります。
便利すぎるツールをみんなが持つことで、世の中が追い付かなくなってしまったのです。
満員電車に及ぼす影響
スマートフォンが満員電車に悪い影響を与えています。スマホはどんな悪影響を及ぼしているのでしょう。
- パーソナルスペースを守る
- 周りに気づかない
満員電車でスマホを使うと、こういった問題が生じます。この2つが原因で、満員電車が悪いほうにいっているように思うのです。混んでいる車内でも、SNSをしたりLineをしたりWebページを見たりYouTubeを見たりゲームをプレイしたり。スマートフォンでこれらを楽しむために、自分だけの空間を確保しなければなりません。スマートフォンを目の前に掲げる快適なスペースを確保するため、自分が陣取った場所を譲る訳にはいきません。電車が停車して人が流れるように入ってきても、中にいる人は奥に動いてくれません。かなり強引に押し込まれて、仕方なく奥に少し動く程度。まだ後ろから人が入ってくるので、もっと押し込まないと乗客が入れませんが、中に入っている人は動きません。プープープーと扉が閉まる警告音が鳴ると、慌てた人たちが、強引に後ろから押し込んでいくので、人と人の板挟みになってしまいます。
このような状況でも、イヤホンをして現実世界から隔離されてしまっているので、周りの状況に中々気づきません。だらーんと伸びているイヤホンのコードが引っかかると不快なので、コードが引っかからないように、周囲の影響を受けないようにさらに場所を確保しようとします。
皆が自分だけの世界を確保したいがために、混みあった電車内で揉め事が起こるようになりました。
電車というものが、スマホ時代にそぐわなくなってしまったのです。スマートフォンを使うには、満員電車には適していません。これを解決するには、満員電車でスマートフォンを禁止にするのが簡単ですが、これだけ便利なものを使用禁止にはできないでしょう。
電車という乗り物の形態を、今の時代に合うよう変えなければいけません。
電車を変える
どう電車を変えたらいいのでしょうか。
- 入場制限をする
- 車両を長くする
- 電車の本数を増やす
- 座席を無くす
- 床に立ち位置を示す足のマークをつける
思いつくのは以上です。入場制限をするのが一番ですが、約束の時間に追われている人ばかりの現代では、混んでいるからといって、次の電車を待つわけにはいきません。その電車に乗らなければ、会社に遅刻してしまいます。入場制限をするのは難しいでしょう。
車両を長くしたり、電車の本数を増やすのも無理です。すでにその手は打っており、これ以上本数を増やすと、時刻表通りに電車を運行できなくなります。
すでに座席を無くした電車はあるようですが、いろいろと賛否両論あるようです。椅子を無くせば、乗ることが人は増えるので、一番簡単に解決できる方法ではあります。
東京レベルの満員電車はどうにもできませんが、名古屋レベルなら、床に立つ位置を示す足のマークを付けて、規則正しく立たせる方法があります。グチャグチャに立って詰めないため、どうしてもデッドスペースが生じます。きっちり規則正しく並べば、無理な押し合いも無くなるでしょう。
スマートフォンの使い方を変える
そう簡単には電車は変わらないでしょう。スマートフォンの使い方を変えるのが一番手っ取り早いでしょう。
- 画面を見ないコンテンツを楽しむ
- ワイヤレスのイヤホンにする
電車内でのスマートフォンの使い方を変えるだけで、状況は改善するでしょう。画面を見るから、自分のスペースを確保しなければいけません。Podcastやradikoなどの音声コンテンツを楽しめば、画面を見る必要はありません。音だけで楽しめるから、Webページを見たり、SNSをしそうですが、音だけを楽しんで、画面を見ないように意識して使うしかないでしょう。画面を見なければ、周囲の状況にも目が行きますし、パーソナルスペースを必要以上に広く取ることもなくなるでしょう。
音声のコンテンツを楽しむなら、Bluetoothイヤホンがおススメです。スマートフォンをコードで接続する必要がなくなるので、イヤホンのコードが引っかかることもなくなります。音質も十分なレベルになっており、数千円で買えることを考えると、非常に満足度は高いと感じます。
Bluetoothのイヤホンで音声のコンテンツを楽しむ。
これが満員電車内での一番良いスマートフォンの使い方です。
生き方を変える
- 早起きをする
- 電車に乗らない
- 会社に行かない
スマホの画面を見ないことなんて出来ないという方は、生き方を変えるしかありません。早起きをして、混雑時を避ければ、ゆったりとスマホの画面を見ることができます。時間をずらすことができない方は、電車に乗らないようにするしかありません。タクシーで通勤するか、会社の近くに住んで、徒歩で通勤しましょう。
そもそも会社に行かないという生き方もあります。会社に行かずに自分で仕事をするのです。みんなと同じような時間に行かざるを得ない会社に行くから、満員電車に乗ってしまいます。自宅で仕事ができれば、会社に行く必要はありません。会社勤めをせずに、生活できるお金を稼ぐのが大変なので、会社に行かないという選択は難しいかもしれません。
早起きをして、ラッシュ時を避けるのがベターでしょう。
新しい時代に適合する
世の中を変えてしまうものが出てきたことで、社会の仕組みに合わなくなっています。あれダメこれダメとしてしまうのではなく、新しいものに合うよう、新しい時代に相応しい仕組みに変えていく必要があるのでしょう。これから技術が進化していき、眼鏡型デバイスでスマートフォンのようなものが登場すれば、手でスマートフォンを持つ必要がなくなるかもしれません。
スマートフォンという便利すぎる道具が、様々な問題を引き起こしています。使う僕らが使い方を考えないと、様々な軋轢を起こしてしまいます。自分なりにできることを実行して、より良い社会にしていきましょう。
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