槇原敬之のオーケストラコンサート、「cELEBRATION 2015”~Starry Nights~」が無事に終了しました。初日の東京体育館と、最終日の大阪城ホールに参加しましたが、総勢約200名という素晴らしいコンサートに、2回も参加することができて本当に幸せです。2回参加したおかげで、今回のcELEBRATIONのテーマが何か分かりました。生きていることをお祝いしようというコンセプトのcELEBRATIONをより突き詰めて、「今をいっしょに生きていることをお祝いしよう」というテーマに昇華させていたと僕は感じました。
長い年月の中で脈々と受け継がれてきている僕らの歴史。数え切れない人たちが生きてきた時の流れの中で、同じ時をいっしょに生きている人がいることの素晴らしさ。少し生きている時代が違えば、僕らは会えません。今、生かされていることへの感謝を、槇原敬之、バンド、オーケストラ、コーラス隊、オーディエンス、それらが渾然一体となって、あの時間と場所に残すことができました。
あのときの気持ちを忘れないためにも、セットリストを振り返りつつ書き記します。
01.Overture
今回のOvertureは、新垣隆氏が作曲したオープニングテーマ。ポップスっぽい曲に仕上げつつも、各楽器の素晴らしさを存分に引き出した構成。すべてのオーディエンスが、これから何が始まるんだという、ワクワクした気持ちになっただろう。
02.Dance with me.
オープニング曲に続く最初の歌は「Dance with me.」。ファンの間でも人気の高い1曲だが、Dance with me.で始まるとは。改めて歌詞を読み直してみると、パートナーと今日を精一杯生きるというテーマが、cELEBRATIONにピッタリの曲。今回のcELEBRATIONのオープニングに相応しい曲だ。
03.もう恋なんてしない
挨拶をして軽くMCを挟んだあとは、大ヒット曲の「もう恋なんてしない」。イントロが流れた瞬間に、ワァーってなるのは、選ばれたものだけの特権。何年経っても、イントロを聞いただけで、みんながひとつになるだろう。
04.桃
2005年のcELEBRATIONでも歌った、「桃」を10年ぶりにオーケストラで。10年前も胡弓の音を聞かせてくれましたが、今回は他の楽器も絡むことでよりスケールアップされていた。
05.No.1
桃を歌った後のMCで、No.1が「俺物語」という映画に使われた説明をしてから「No.1」を歌う槇原。管楽器のアレンジが素晴らしく、原曲の世界観がより伝わる演奏だった。世界で一番素敵な恋をしようという、僕らが忘れつつある大事な気持ちを、改めて思い出させてくれた。
06.Are You OK?
No.1のあとは、まさかの「Are You OK?」。ギターをうまくアクセントにしつつも、オーケストラのパワーを、ビッグバンド的なアレンジにまとめた素晴らしい仕上がりだ。
07.Remeber My Name
ノリの良い曲が2曲続いた後、「Remeber My Name」でいっきに雰囲気を変える。知る人ぞ知る、これぞ槇原という素晴らしい曲。弦楽器の素晴らしさを生かした編曲になっており、皆泣かずにはいられなかっただろう。
08.Such a Lovely Place
Remeber My Nameの余韻のまま、印象的なイントロが流れる。「Such a Lovely Place」だと分かった瞬間に泣いたのは僕だけじゃないだろう。1部の最後に「Such a Lovely Place」を持ってくるのは反則だ。スケール感抜群のオーケストラサウンドに、槇原の透き通る声。ただただ泣いた。ひたすら泣いた。1部の最後に相応しい曲。
09.WE LOVE YOU.
ここから学生コーラス隊(慶応義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団&女声合唱団)が加わり、いよいよ本当のcELEBRATIONが始まった。 2部のオープニング曲は、絶対に「WE LOVE YOU.」だという自信があったので、学生コーラス隊が「WE LOVE YOU.」と歌いだしたときは、涙が止まらなかった。学生コーラス隊の真っ直ぐな歌声が、この曲が持つ意味を教えてくれたように思う。人だけじゃなく、この世に存在するものすべてが君のことを愛している。様々なものに愛されて、今を生かされていることへの感謝。
希望を失いつつある人の心を変えてくれただろう。
10.クリスマスメドレー
圧巻だったのがクリスマスメドレー。なんでクリスマスの曲を聴かなきゃいけないんだと思いそうなところだが、槇原の冬の名曲とクリスマスソングを組み合わせることで、圧巻のメドレーに仕上がっていた。
- Welcome Christmas
- 北風
- 冬がはじまるよ
- Jingle Bell Rock
- 今年の冬
- The Christmas Song
- 雪に願いを
- チキンライス
槇原の美しい英語歌唱も交えることで、初めて槇原のコンサートに参加した人も楽しめただろう。学生コーラス隊の独唱部分も素晴らしかった。1万人の聴衆を前に、堂々と歌った姿に涙したのは僕だけじゃないだろう。
11.The Gift
素晴らしいクリスマスメドレーの後は、なんと英語の歌。Blueに楽曲提供した「The Gift」を、槇原がカバー。槇原の美しい英語歌唱を聞きながら、壮大な演奏、コーラス、自然と涙が頬を伝った。
12.GREEN DAYS
冬っぽい曲が続いた後は、いきなり真夏の曲に。しかし、いつもの派手なアレンジとは違い、マーチングバンド風のアレンジに。今回のcELEBRATIONは、管楽器の人数をかなり増やしていたが、この曲で真価が発揮された。きっと子供達も目を輝かせて聞き入っただろう。
13.LOTUS IN THE DIRT
ここから槇原ライブの汗を掻く時間。LOTUS IN THE DIRTでスタートしたが、ライブでもよく歌う曲だが、cELEBRATIONでは初登場。オーケストラだけではなく、電子音も融合させた、槇原サウンドを炸裂させた。
14.Fall
誰もこの曲を歌うとは思っていなかっただろう。EDMの「Fall」をオーケストラで。EDMをオーケストラで演奏するコンサートは世界初じゃないだろうか。切れ味鋭いストリングスが突き刺さるような音を出し、Fallの世界観を見事に再現。圧巻としか言いようがない仕上がりだった。
15.まったくどうにもまいっちゃうぜ
興奮が最高潮に達したところで、まさかの「まったくどうにもまいっちゃうぜ」。この曲を歌うとは誰も予想できなかっただろう。この曲では、打楽器の見せ場が満載の構成だった。大石真理恵とクラシックパーカッションの二人の凄まじいプレー。きっとDVDが発売された何回もリピートすることになるだろう。
16.太陽
盛り上がる曲が続いた後は、cELEBRATIONにはなくてはならない「太陽」。会場の明かりが暗くなり、静かな演奏から徐々に壮大になっていった。終盤では学生コーラス隊のコーラスも加わり、暗闇の中から希望を見出していくこの曲を見事に再現。太陽なしではcELEBRATIONと呼べない。
17.世界に一つだけの花
太陽のあとは、知らない人はいないだろう「世界に一つだけの花」。国民的ソングをみんなで歌い、完全に会場は一つに。
18.四つ葉のクローバー
本編最後の曲は「四つ葉のクローバー」。夢・希望・絆・愛、形に見えない思いを抱きながら生きることの大事さを教えてくれる曲。
生きていることは、たくさんの人たちの見えない思いに支えられている。自分の知らないところで、誰かがあなたのことを思ってくれているおかげで生きている。「見えないものを信じることのその意味を」、今一度この歌の意味を噛み締めよう。
19.ANSWER
ここからはアンコールだが、あえてフィナーレと呼びたい。今回のcELEBRATIONは、アンコールまで意味のある構成に。舞台袖に消えた槇原が登場し、アンコールの挨拶をしたと思ったら、ピアノの方へ。まさかオーケストラコンサートで槇原の弾き方りが聴けるとは。壮大なオーケストラサウンドを背に、名曲ANSWERを。イントロが流れた瞬間、とめどなく涙が流れた。
ANSWERで槇原がピアノを弾くことを希望したのは、今回のオーケストアレンジを手がけたTomi Yo。ここ10年、槇原と二人三脚で仕事をしてきたTomi氏ならではの演出だろう。
20.星の光
いよいよcELEBRATIONも佳境に。今回のcELEBRATION2015のテーマとなった、「星の光」を。この曲は言葉にできないほど感動したのは僕だけじゃないだろう。この曲が持つ意味を、全ての楽器で表現。全楽器の独奏をを用意し、一つでも欠けたらこの演奏は成立しないんだと。それが意味するのは、誰か一人でも欠けてしまったら、今生きているこの世界は成立しないということ。歌と演奏で、当たり前のようで一番大事なことを僕らに教えてくれた。
長い年月の中で、今をいっしょに生きていることの素晴らしさ。同じ時代を生きることができる喜びを、会場のみんなでお祝いする。この曲でcELEBRATION2015が完結した。
21.どんなときも。
もう最後はこの曲しかない「どんなときも。」だ。多くのファンが槇原と出会ったであろう、この曲でcELEBRATION2015は終わった。
何年経っても、「どんなときも。どんなときも。」と口ずさめる普遍的なメロディーと言葉。何かに押し潰されそうな時、この歌を歌うことで、乗り越えてきた人も多いだろう。きっと10年経っても、さらに25年経っても、この曲が日本人を支えていってくれるはずだ。
25周年に相応しい素晴らしいコンサート
こうやって振り返るだけで涙が流れてくるぐらい、本当に感動的なコンサートだった。約200人の人がステージに上がることでしか表現できないものが、間違いなくこのコンサートにはあっただろう。これだけのものを作り上げる苦労は計り知れないものがあるだろうが、このコンサートに関わった人たちにありがとうと伝えたい。
さぁ、次は僕らの番だ。この時感じた気持ちを胸に、どうやって僕らが輝くのか。何万年前の光から見ている世界の人たちに、遥か遠くの地球という星の素晴らしさを見せよう。
セットリスト
第1部
01.Overture
02.Dance with me.
03.もう恋なんてしない
04.桃
05.No.1
06.Are You OK?
07.Remeber My Name
08.Such a Lovely Place
第2部
09.WE LOVE YOU
10.クリスマスメドレー
11.The Gift
12.GREEN DAYS
13.LOTUS IN THE DIRT
14.Fall
15.まったくどうにもまいっちゃうぜ
16.太陽
17.世界に一つだけの花
18.四つ葉のクローバー
フィナーレ(アンコール)
19.ANSWER
20.星の光
21.どんなときも。
音楽ナタリー記事:槇原敬之Xmasメドレーも届けたオーケストラ公演をオンエア
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