朝の街を見ると、世の中の動きが分かる。休日にしては閑散とした街の様子から、今が大型連休だとわかる。とくに年末年始の休暇は、人通りが少ない。
歓楽街でありビジネス街でもあるこの街は、朝から慌ただしく人が動いているが、今日は人一人見当たらない。お店も閉まっているところが多いからか、いつも以上に静かな街。
誰もいない街を歩くのが好きだ。物音一つない街を、僕の足音がメロディーを奏でる。車が通らない道を自由に歩く。ルールだって変えられる。
僕だけの街を僕が彩る。
誰にも邪魔されることのない僕だけの世界。過去にだって戻れる。あの日あの時あの子と過ごした時間、これからの自分がなりたい姿。何だって形にできる。
まるで魔法使いになったような時間。そんな特別な時間は長く続かない。初売りセールに向かう人たちが街を動かす。
さっきまでの静けさが嘘のようだ。こんな早い時間から大渋滞。もう僕だけの街じゃない。みんなの街が動き出した。
あと何日かすれば、ありふれた日常の景色になる。慌ただしく過ぎていく日々に、元旦に誓ったことも忘れてしまうだろうか。僕だけの街を歩いて感じたことも忘れてしまうだろうか。
時は止まらないけど、同じ日は一日たりとない。これからも続くいつもの毎日の中で、僕だけの時間を過ごし、今日とは違う、僕だけの街を作っていこう。
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