2015年の7月にスタートしたApple Music。毎月980円を払うことで、世界中の音楽が聴き放題というサービスです。海外のアーティストは、聴けない曲を探すほうが難しい状況ですが、日本人アーティストの有名どころは、聴ける曲が少ないのが現状です。
邦楽のラインナップが少なくて、洋楽が充実しているほうが好都合な面もあり、サービス開始と同時にずっと使ってきましたが、今月いっぱいでApple Musicを解約することにしました。
解約するようになった理由は、Spotifyしか使っていなからです。あまりにSpotifyの使い勝手が良いので、Apple Musicを使う機会がありません。ひとつのプレイリストに収録されている曲数が膨大なため、一度再生を始めてしまうと、iPhoneを触る必要がありません。Spotifyは選曲も素晴らしいので、いいなぁと思ったプレイリストが見つかると、そのプレイリストを2時間ぐらいはぶっ通しで聞くことになります。
Apple Musicは人力で選曲しているため、ひとつのプレイリストの曲数は20曲程度です。1時間とちょっとで、また次のプレイリストを探さないといけません。サービスに対する思想の違いが、プレイリストの曲数に現れていますが、僕にはSpotifyのほうが合っています。
まだ定額制音楽配信サービスを使ったことのない方は、Spotifyを選んでおけば間違いないでしょう。邦楽好きには合わないサービスですが、洋楽が好きな方にとっては、夢のようなサービスです。スターバックスのドリップ コーヒーTallサイズ3杯の値段で、好きなだけ音楽を聞くことができます。
ただ聴けるだけではなく、自分の好きな曲をSpotifyが学習していくため、どんどん自分好みの曲が見つかる仕組みです。無料でも使えるSpotifyですが、ここまで便利なサービスですから、迷わず有料会員になるべきでしょう。僕の友達の女性も、広告が入るのが鬱陶しいので、好きなだけ聴ける有料会員になりました。インターネットのサービスにお金を払うことに抵抗のあるような客層も、納得してお金を払いたくなるサービスがSpotifyです。
SpotifyがAI企業を買収。レコメンド機能向上に期待|ギズモード・ジャパン
人工知能を開発している会社を買収し、さらに便利なサービスを目指しているようです。今でも十分すぎるぐらい好きな曲を聞かせてくれるSpotifyですが、さらにユーザーに合った音楽を聞かせてくれるようになるでしょう。そんなSpotifyと対照的なのがApple Musicです。サービス開始当初は力が入っていたApple Musicですが、2017年に入ってからは嬉しいニュースが聞こえてきません。
Apple Musicに動きがない理由が、Appleの売り上げから見えてきます。2016年の7月から9月のAppleの総売上が468億5200万ドルに対し、サービス関連の売上は63億2500万ドル、全体比13%程度になります。サービス関連の売上は、iPhoneやMacのAppStore(アプリストア)の売上も含んでいます。圧倒的にアプリストアの売り上げのほうが多いと思われます。Apple Musicの売り上げは、30億ドル以下でしょう。Apple全体の売り上げから見ると、Apple Musicの売り上げは大きくありません。
このような状況ですから、今後もApple Musicにはあまり期待はできないでしょう。会社の利益に貢献していない事業は、どうしても優先度が低くなります。Apple Musicで大きなニュースがないのも頷けます。
音楽が全ての会社と、ハードウェアの片手間で音楽をやっている会社。どちらが良いサービスになるでしょうか。ここでいうまでもなく、実際の使用感が物語っています。
iPodがヒットしたときのAppleは、音楽に対する愛や力の入れる具合を感じましたが、ここ5年ぐらいはまったく感じません。iTunesが使いにくいまま放置されているところにも、Appleが音楽事業を軽視しているのが透けて見えます。
Apple Musicの解約は、当然の結果でしょう。Appleはサービスに対する方向性を、真剣に考える時期にきているように思います。
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