昔デジタルハブ構想というものがありました。2001年の1月に開催されたMacWorld Conference and Expoの基調講演で、Macをデジタルのハブにするというライフスタイルの提案が行われました。
その提案は見事形になり、iPhoneの大ヒットに繋がりました。それから時代は進み、いよいよスマートフォンがハブになるときがきたようです。
デスクトップPCのように使えるGalaxy S8
本日発表されたサムスンのフラグシップスマートフォン「Galaxy S8」は、デスクトップPCのように使うことができるようになっています。「Samsung DeX」というドックにGalaxy S8を差し込むと、大きな液晶ディスプレイに映像を表示し、キーボードやマウスで操作できるようになります。もちろん大きな画面を活かした使い方ができるようになっています。
外で使うときはスマートフォン、自宅に帰ってきたらドッグに差し込んで、まるでPCのように使うことができるようになっています。
一昔前では、こういった使い方はできませんでした。スマートフォンというサイズに、パソコンに匹敵するだけの性能を詰め込めなかったからです。限られたサイズの筐体でコンピュータらしく振舞うために、様々な制約の上で成り立っていました。
iPhoneが登場してから10年。驚くスピードで技術が進化し、手のひらに乗るサイズのスマートフォンが、ノートPCと変わらない性能を持つようになりました。2016年10月に登場したPhone7とiPhone7 Plusを使っていますが、下手なパソコンより快適です。ここまで快適だと、パソコンなんて不要なんじゃないかと思えてきます。ストレージ容量も最大256GBまで選択できる上に、クラウドサービスが進化したことで、手元のストレージに大量のデータを保持しておく必要もなくなっています。大量のデータを保管しておくというPCの役目も失いつつあります。
スマートフォンとクラウドとネットワークの進化により、スマートフォン自身がハブになるときがやってきます。スマートフォン自体が高性能な端末なので、それを中心に様々な周辺機器が連携していくことで、より便利になるのです。
スマートフォンの小さい画面では難しいことは、Samsung DeXのようなデバイスを使い、デスクトップPCに変身させます。スマートフォンのカメラではできないことは、Gear360のような周辺機器を使って解決します。今話題のVRも、Gear VRのようなデバイスを使うことで、VRを体験することができます。
小さくて持ち運べるサイズなのに、驚くほど高性能な端末があることで、それを中心として様々なものが補完するという世界が始まります。
中心となるものはMacやWindowsのOSを搭載したPCでしたが、そんな時代も終わりを告げます。
Microsoftも昨年末に、スマートフォンでPCに搭載しているWindowsのOSが動くようになると発表しました。フル機能がWindowsで動くようになることで、AdobeのPhotoshopやIllustratorのようなPCでしか動かないアプリが使えるようになります。
スマートフォンの性能がパソコンを越したことで、新しい世界が始まろうとしています。Appleだけが次の時代の提案をできていないのが心配ですが、2017年はスマホがハブになる年でしょう。
全てのことがスマートフォンで完結するときがやってきます。そうなったとき、スマートフォン、タブレット、パソコンといった区別はなくなり、画面サイズや機能で端末を選ぶときがやってくるのかもしれません。
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