iPhone6とiPhone6 Plusが発表されました。新しいiPhoneに注目がいってしまっていますが、地味に大事な改良が裏では行われていました。
2014年9月17日にリリースされるiOS8から、今までとiCloudの扱い方が変わります。今までiCloudというものは、あまり使っているという意識がなかったのですが、これからは、もクラウドということを意識して使うようになります。
ファイルを保存したり、ダウンロードしたりできる
現在パソコンのブラウザーからサインインできるiCloudのサイトが2つあります。通常のiCloudとiCloud Betaというサイトの2つ。https://www.icloud.comというアドレスですと通常のiCloud、https://beta.www.icloud.comというアドレスだと、Beta版のiCloudのサイトに繋がります。beta版のほうは、通常版にはない機能があったりします。
本日追加された機能は、iOS8より搭載される「iCloud Drive」という機能です。iCloud Driveが登場すると、今までとは少しiCloud Driveの使い方が変わってきます。
今までのiCloudは、アプリ毎にデータを管理しており、パソコンのフォルダーのように自由にデータをコピーしたり、保存したり、フォルダーにまとめたりというようなことができませんでした(アプリの機能で、アプリの中にフォルダーを作ることはできます)。しかし、これからのiCloudは、パソコンでファイルを管理するように、もう少し自由にファイルを扱えるようになります。
iCloud内に、フォルダーを作ったり、写真のファイルをアップロードすることができるようになります。他のクラウドサービスと同じような機能ができるようになるのです。今までは、自由にファイルを扱わせてくれなかったため、あまりパソコンでiCloudを使う必要性を感じられませんでした。しかし、これからのiCloudは、Dropboxなどの他のクラウドサービスと同じように、フォルダーやファイルを自由に扱えるようになります。とくにMacやWindowsといったPCを使っている人は、iPhoneやiPadで作業したデータの続きをパソコンで仕上げるといった作業がやりやすくなるでしょう。
しばらくはブラウザーからアップロードか
iOS8が登場すれば、このiCloud Driveが使えるようになります。しかし、PCを使っているときに、Dropboxのように、自由にファイルを扱えるようになるのは、もう少し先になりそうです。Macの新しいOS Yosemiteが登場しないと、FinderのサイドバーにiCloud Driveのショートカットができないようなのです。そのため、しばらくはブラウザーからiCloud Driveにアクセスし、ブラウザーからファイルをアップロードしたり、ダウンロードすることになります。
パソコンのローカル上にあるデータを扱うときのように、簡単にファイルを扱うことができません。ブラウザーにファイルをドラッグすることでファイルをアップロードし、ダウンロードするときは、ダウンロードするファイルを選択して、ダウンロードの指示を出さないといけません。
iPhone、iPadから自由に扱えるのか
iOS8になることで、MacやWindows PCのように、自由にファイルを扱うことができるようになるのでしょうか。iCloud Driveが間もなく登場になっています。今のiPhoneとiPadの仕組みですと、アプリを立ち上げないと、何かを実行することができません。おそらく、iCloud Driveというアプリがリリースされ、それを立ち上げることで、そのアプリ内でファイルをアップロードしたり、使いたいファイルを実行するアプリを選択することができるようになると思われます。iCloud Driveの登場で、今までよりファイルを自由に扱うことができるようになっても、iPhoneやiPadでの、基本的なファイルの扱い方は変えないでしょう。今まで通りアプリごとにファイルを受け渡すことになるでしょう。そうなると、もしかしたらiCloud Driveというアプリすらリリースされず、アプリでデータを保存する場所や、開くデータを自由に選択することができるだけなのかもしれません。
パソコンのブラウザーからiCloud Driveにアクセスするように、iPhoneのSafari(ブラウザー)からアクセスしましたが、iPhoneからアクセスしているということで、PCで見るiCloudのような画面にはならないため、ファイルをアップロードしたりダウンロードすることができません。他のブラウザーアプリを使って、無理やりPCから見ているということにし、PC用のiCloudの画面を開いて、なんとかiCloudドライブにアクセスをすることができました。なんとか写真だけはアップロードすることができましたが、アップロードした写真をダウンロードすることはできませんでした。
Androidスマートフォン(GALAXY Note3)からiCloud Betaにアクセスし(ブラウザーはChrome)、なんとかiCloud Driveの中に入ることができました。Androidからですと、なんとかファイルをダウンロードすることができました。この辺りの違いは、OSによる仕様の違いによるものと思われます。Androidのほうが、iPhoneよりは自由にファイルを扱うことができるため、よりパソコンに近い操作をすることができたと思われます。
iPhone、iPadが、Macに近づいていく
iCloud Driveが登場し、今までよりファイルの扱い方がPCに近づいたり、文字入力システムを変更できるようになることで、文字を打ったりする仕事がしやすくなります。iOS8からは、今までのiPhone、iPadとは違い、もう少し生産性のあることがiPhoneやiPadからもできるようになります。今までのiPhone、iPadは、何かを作るというよりは、何かを消費するための端末(見る)でした。iPhone6で画面が大型したということから分かるように、iPhoneとiPadも、ついに生産性のある仕事ができる端末になろうとしているのが分かります。とくにiPhone6 Plusのほうは、GarageBandで曲を作っている写真があるように、今までとは違う使い方をさせたいというAppleの意向を感じました。
おそらく10月には、新しいiPadとiPad miniが発表されるはずです。そのときに、今までのiPadとは違う使い方の提案があると思われます。そうじゃないと、画面が大型化したiPhoneとの差別化が難しくなってきます。よりPC的な使い方ができるiPadになるはずです。iCloud Driveを使うことでファイルを扱うことができ、文字入力システムを変えてより自分好みのiPadに変更でき、App Extensionでアプリ間の連携が進み、より自由に何かを作ることができるようになります。iPhoneでも同じことができるようになりますが、画面の大きさを活かすことで、iPhoneよりもう少しPCよりな使い方ができるようになっていくと思います。
iOS8とYosemiteになると、iPhoneで途中まで入力した文章の続きを、Macで打つことができるようになります。デバイスを選ばず、クラウドを基点とした使い方に変わっていきます。
デバイスによって使い方を変えるのではなく(デバイスによる制限を受けない)、自分の使いやすいデバイスで、自分のやりたいことをやる時代がやってくるでしょう。
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