話がつまらないということは、生きていく上で致命的なハンデです。誰かといっしょにいるとき、話がおもしろい人とおもしろくない人、どちらの人と同じ時間を過ごしたいですか。答えを書くまでもないでしょう。お笑い芸人の人がよくモテる話を聞きますが、話のプロの彼らがモテるのは当然なことなのです。

どうしたら話がおもしろいひとになれるのでしょうか。それは、生まれ持った才能の違いではなく、テクニックです。自分の思いをおもしろく伝えるテクニックがあれば話は面白くなります。

テレビ番組の放送作家、美濃部達宏氏が、テレビ番組や芸能人のネタを引き合いに出して、誰にでも分かるように教えてくれます。

人と話すことは生きていく基本です。話がおもしろ人になったほうが、間違いなく自分の人生にプラスになるでしょう。自分の人生を変えることができる素晴らしい本、「なぜ、あなたの話はつまらないのか」を紹介します。
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テレビに放送作家がいる理由

放送作家の仕事とは何でしょうか。

  • 企画を考える
  • 構成を考える
  • 台本を書く

これが放送作家の仕事です。番組で何をするかが企画で、その企画を面白くするための重要な鍵が構成です。この構成を考えるのがプロの放送作家です。企画が良くても、構成が悪いと全てが台無しです。

おもしろいことを(企画)、どうしたらおもしろく伝えることができるのか(構成)。

放送作家が頭を悩ましてくれているおかげで、僕らは楽しい番組を見ることができるのです。ただのアイドルや新人の芸人さんでもおもしろく伝わるのは、おもしろく伝わるように、放送作家が企画を考えて、構成を工夫しているからなのです。

話題は素材

話をおもしろくするのもつまらなくするのも、すべては話題次第です。素材で料理の味が大きく変わるように、何を話題にするかで、おもしろさが決まります。

では、おもしろい話題とはどんな話題でしょうか。難しく考える必要はありません、おもしろい話とは、誰もが共感できる話です。誰でも共感できるというのは、誰もが経験するだろう話をすればいいのです。

  1. 家族
  2. 学校
  3. 食・住
  4. 恋愛・仕事
  5. 芸能

この5つの話題は、おそらく誰もが経験したり知っている話題なので、共感してくれる可能性が高くなります。こういった話題を選択することが、良い素材(話題)を選択するということです。共感しやすい話題を選ぶことで、あなた話をおもしろいと思って聞いてくれるでしょう。

順序は調理

よい話題を話しても、おもしろくないことがあります。それは、調理の仕方に問題があります。ここでいう調理とは、話の順序のことです。共感できる話題を、適切な順序で話す。これがよい素材を活かした調理法です。

調理というと難しく聞こえますが、この本では誰でも使える調理法を伝授してくれます。著者が提唱する調理法は、「フリオチ」と呼ばれるものです。このフリオチ次第で、話がおもしろくなるかならないか決まります。話を導くのがフリで、話の結論がオチです。オチをおもしろくするのはフリ次第。おもしろいオチができたら、そのオチでは考えられないようなフリを考えることで、フリオチが完成します。

「フリオチ」のフリとオチは矛盾していないといけません。その矛盾を繋ぐのが「なのに」です。なのにをうまく使うことで、簡単によいフリオチを作ることができます。矛盾していることをうまく繋ぐために、なのにを使います。フリオチが効いた話とは、矛盾した内容が「なのに」で接続される構造になっています。最高のフリオチを作るには、オチを最大限にするためのフリを、なのにで繋ぐことができるかどうか。これを意識して考えれば、最高の調理をすることができるでしょう。

隠し味のテクニックで話を仕上げる

話題と順序を間違えなければ、おもしろい話になります。これで十分におもしろい話ができていますが、よりおもしろい話をするには、隠し味が必要です。美味しい料理を、さらに美味しくするための隠し味まで教えてくれます。隠し味といっても難しいものではありません、普段テレビで見る芸能人が使っているものばかりです。

  • 無理矢理にでも相手との共通点を見つける「シンクロニシティ法」
  • フリオチを最大限にする「ギャップ法」
  • あらゆるものを音で表現する「変速擬音語、擬態語法」
  • 愛情をもって相手をなじる「愛の毒舌法」
  • 表現を工夫してツッコミに共感を得る「ツッコミ法」
  • 話に出てくる登場人物のクセを見抜いてオーバーに演じて伝える「ひとり芝居法」
  • 使う場面と使い方に注意が必要だが緊張を緩和して共感を生む「適温下ネタ法」
  • 相手の知識レベルに合わせてネタを選び、知らないことを教えてあげる「雑学プレゼン法」

素晴らしい素材(話題)と調理(順序)をさらに引き立てる隠し味(テクニック)。その隠し味まで惜しみなく教えてくれます。これらのテクニックを使うことで、あなたの話がつまらないことはなくなるでしょう。

元気な世の中が生まれる

みんなが少しずつ、思いやりをもって話をすれば、みんなが少しずつ元気になれる世の中が生まれるはずです。

おわりにで、著者はこう書いています。おもしろい話をする人が増えれば、世の中が明るくなります。様々な問題を抱えた現代ですが、生きている人たちが楽しく話をすることができれば、世の中は良い方向に変わるでしょう。職場、友達、恋人、家庭。僕らが生きる空間を明るく照らすには、おもしろい話をしなければいけません。お笑い芸人さんのように大げさに話すの必要はありません。相手と話すのに相応しい話題を選択し、それを楽しく伝えればいいのです。少し意識を変えることができれば、きっとあなたの周りが明るくなり、世界が良いほうに向かっていくでしょう。


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